「成る程なあ、だからリウは森ん中に入ると異様に活発になったんだな。こんだけ囲まれてたら慣れるよな」
ざしざしざしざし。
「まあなー。自由に行ける広さも森までだったから、森の中のもの全部遊び場って感じだったし。まあ、逆に言えば森以外は歩きにくかったんだけどさ。川原とか」
ざしざし。がさっがさっ。
「あー。お前よくすっ転んでたよな! あん時はまだ本調子じゃなかったのかって焦ったなあ」
がさがさがさがさ。ざしざし。
「というかよくあんなとこ颯爽と歩けるよなあ、レストマー。俺いまだに無理ー」
がさがさ。とっ。がさがさっ。かつっ。
「そうかあ? 俺はそーやって汗ひとつかかねえでこの鬱蒼とした森ん中歩くお前がこええ…」
とっ。かつっ。とっ。かつっ。ずるっ。がしっ。
「リウ殿、レストマー殿」
声をかけられて、二人は同時に振り返った。其処に居たのは今回共に同行しているクロデキルドと、彼女に抱えられているアスアドの姿だった。
「も、申し訳ない…」
息も絶え絶えの状態でへたり込むアスアドに苦笑し、レストマー達は暫しの休憩をとることにした。話し込んでいて気付かなかったが、どうやらアスアドは二人に追いつくのに必死だったようだ。クロデキルドは外見上平静を装っていたが、口数がいつもより少なかった辺り、彼女もこの森に苦労していたのかもしれない。
「いや、気付かなかったこっちも悪いな。そっか、アスアドの故郷は森じゃなくて川瀬とかだったもんな」
「ええ…普通の森でしたら、ロブドゥーア城への道など、よく渡るので平気なのですが…ここまで深いと…」
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アスアドは森の中を歩くのが苦手っていうネタ。すごいはじめの頃のネタを不意に思い出したのでメモ