あっはっはっはっはっは
: 大笑い…
「なあなあ!そのまま外出てみようぜッ。絶対誰も気付かないって逆に声かけられるぜそれだと」
「かけられても嬉しくないッ!」
「いーじゃん変装にはさいてきだろー?」
「変装が目立ってどうするッ。ああもう、いいっ」
「わ、こら、まてって。なあ、頼むから一回だけ! 一生のお願いだからさあ」
「そんなところで一生のお願いなんか使うなああああぁぁっ!」

「…止めなくていいんですか?」
「止めるのですか? とても似合っていると思うのですが…」
「………(遊ばれてるの、本当に気にしない人何だなあ…)」

(そんな阿呆な話(おわっとけ))












遺跡の出来事
: 光の柱と水の魔物
 はじん、となにかが弾ける音が聞こえて現状を忘れて振り返る。光の柱に閉じ込められている彼女の身体が光に捩られて、腕から赤い雫を流している。
 ぎしり、ぎしりと、少しずつ、光が彼女へと侵食して行くのに、耐え切れず彼女の面持ちが苦痛を浮かべる。
「…ポーラッ!」
 滅多に聞く事のない、彼の切迫した声が響き渡る。
 我を忘れ身を護る武器を手放して駆け出す背を見、テッドは慌てて追い付こうとするも青いうねりに阻まれて足を止める。左手の紋章に意識を集め、彼は力の言葉を放った。
「燃え上がる壁」
 左の甲の痣がじわりと疼く、光が浮かび上がり、自分と彼と、魔物の合間に紅に燃え上がる火の柱が立ち上がる。水の属性を持った魔物は、火に身体の一部を蒸発させられ、奇声を上げながら遠ざかって行く。けれどそれだけではダメージといえるものを与えられない。先程から闘っていてそれは判っていた、ただ自分達から魔物を遠ざける為の、一時しのぎでしかなかった。
 ばづん。何かが弾ける音が聞こえる。見れば、彼の腕からも赤い雫が滴り落ちている。撥ね除けられた腕を一瞬押さえて、再度彼は手を伸ばした。その腕を拒む音と光が発生する。
「シーア、よせ!」
 叫ぶが声は彼に届かない。駄目だとテッドは思う、完全に彼は我を忘れてしまっている。
 …いや、
(違う、恐いんだ)
 自分を知る人を、最愛の者を失うかもしれないという恐慌状態に陥っているのだ。自分の至らなさから引き延ばしてしまった彼女の命を、また自分の所為で無惨に失ってしまうということ、の。
 ……テッドがよく知っている、恐怖を感じているのだ。
(駄目だ)
 そんなものを彼に知って欲しくはない、いつかは起こるかも知れない、けれど今は不老の過酷さに心を傷つけ、弱っている彼に味わせてはいけない。支えである彼女をなくし、たった一人の孤独の道を渡る、今の彼に、それが耐え切れるのか、昔の姿を知っているテッドですら判らなかった。
 だから。
 天上から魔物がシーア目掛けて落ちて行くのに、テッドは再度烈火の紋章を発動させる。牽制を繰り返しながら、忙しなく目を遺跡へと移す。
(思い出せ)
 弾かれる音を耳で捉えながら、必死に記憶を手繰る。
(この遺跡は贄を捧げる為に使う。前に見た遺跡でも似たものがあった筈だ、この光は何で発動している? どうすれば止まる?)
 仕掛けを動かす基板等はない。としたら発動させたものは魔法か、だとしたら、何を条件に。
 考えを巡らせていると──何かが蒸発する音が聞こえ、目を向ける。シーアが、光の柱の前で呆然と左手を見やっている。
 辺りは一面…どちらのものか…赤い雫に満たされていて、けれどその雫が、少しずつ、じわりじわりとシーアに、彼の左腕に寄ろうと、動いて行く。
「…ポーラ」
 呆然と、彼が呟く。
「嘘だ、嘘だ…やめてくれ、こんな…」
 震えた声で、何かに訴えている。光の中にいる彼女は無惨な姿になってしまっている……微かに腕が動いているので、まだ息があると気付くのがやっとだ。
 時間がない、そう急いた瞬間──テッドは思い出す。
 罰の紋章、彼女の身に掛かった呪い、水の魔物、光の柱──
「…あれかっ」
 だとすればと、向けた視線の先にあったのは浮かび上がる水の魔物。
(あれはこの遺跡への贄だ)
 その命で、この遺跡を動かしている。それさえ消えれば光の柱は消えるのだろう。そして、遺跡を動かしているものが、何者かの命ならば。
 魔物を睨み付けて、テッドは精神を集中させる。
(──頼む、聞こえてくれ)
 祈る様に心の中で、語りかける。
(お願いだ、力を貸してくれ。……俺にソウルイーターの力を。一生のお願いだ……レイッ!)
 右腕を上げる、甲にあの痣があるのだと意識する……僅かに黒い影が、右の手に集まった様に感じた。
 ソウルイーターの力があると、感じた。テッドは声を張り上げて、言葉を紡ぐ。
「ソウルイーター、…喰らいつくせ!」



(時間がまだ定まってませんが…2後設定。属性の弱点間違えました…火と水だったら水の方が強かったんだっけ…! 汗)












懲りません…
: 某映画パロ2
光の見えぬ紅に濡れた道を突き進む

(好き勝手に描いてます…すんませー)












テッド
: わらうこと
太陽のような

(…こんくらいわらうひとっているんだろうか。
 光しか知らなくて笑う人はいるけれど、光も影も知ってて尚笑える人はいるのかなー、なんて。
 とても強い笑顔なのだろうなーなんて。)

(なんて書いた板)












テッド
: テッドさん
 描き方いまだにわかりません…












揺らがぬ瞳
: 開く扉
 静かに静かに、告げられる優しい言の葉

「贖いと赦しを司る紋章。罰を継承し者」
 ゆるりと、言葉が紡がれる。
「貴方には星の瞬きの力が残っています。私の門の力とはじまりの欠片、そして貴方の赦しの力。
 その力ともうひとつのものを使えば貴方の願いは叶います」
「もうひとつは」
「貴方の命を削ります」
 静かに、彼は言葉を待った。
「当時ならばその必要もない程の星の力があった、けれど今は何かで補わなければなりません、それはシーア、貴方の命でしか補うことは出来ないのです。
 それでよいのなら、私は貴方に力を貸しましょう」
「…少しだけ、よろしいですか」
 言葉なくレックナートは肯定を彼に示す。揺らぎなく朝露に濡れたように瞬く蒼の瞳を彼女に向けて、彼は口を開いた。
「それを為した場合、僕の命は全て削られますか」
「いいえ、微かですが、残るでしょう」
「では、……ではもし、僕が何かが原因で罰を手放し、そして命を落とすことになった時。
 …彼女は、ポーラはどうなりますか」
 ひとつの間が空いた。二人の声以外の音がない空間に静寂が降り、そしてゆわりと。
「彼女の受けた従属の呪は、貴方が持つ罰の場合にのみ効力を発揮します。恐らくは貴方が手放した瞬間にその力は消え、罰に取り込まれることもなく全てが風に消えます」
「…良かった」
 ふわりと、笑う。
「彼女の呪が消えず、取り残してしまうかもしれない事だけが、気掛かりでした。
 けれど呪が解かれるのなら、それでいい。
 ……お願いします。僕の命を使って、彼を、──テッドをこの世に呼び戻せるのなら。」

(テッドを生き返らせるなら、こんな展開にしようかと)












貫かれる
: からだを突きさす紅にぬれた銀のかがやき